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“ サポテックラグ ”とは?

オアハカの中心部から25㎞ほど行くと、毛布やタペテと呼ばれるラグなどの羊毛製品の生産で有名な村、テオティトラン・デル・バジェがあります。羊毛を使った織物産地として数百の工房が集積しており、上質なウールを使った絨毯や衣類が日々作られています。スペイン語で、その絨毯を”タペテ”と呼びます。世界的には、サポテク族をルーツに持つことから、“サポテックラグ”(zapotec rug)という総称で呼ばれているようです。村には数百の織物工房があり、羊毛を紡いで色を染めるところから織る工程まで、ほとんどをこの村で行っています。

イサクバスケスの写真1

村の中でもっとも高名な織り手イサク バスケス(Isaac Vasquez Garcia)の工房の作品をご紹介します。彼は天然染料をつかった古代の染色法を復興させたことでも知られる、テオティトラン デル バジェ村を代表する染織家です。

イサクバスケスの写真2

イサク・バスケスが復興させた染色法の基本になる染料は、オアハカ地方の特産であるコチニール(サボテンにつくカイガラムシ)=赤色、岩の苔=黄色、ウィサーチェ(アカシアの一種の種子のさや)=黒色、藍=青色の4種類。原毛の色の違いや、染料の濃度、染色時間、媒染剤の違いなどによってさまざまに色調を変えたり、これらの染料を組み合わせることで緑や紫などほかの色に染めたりすることができます。

イサクバスケスの写真3

サポテックラグはキリムなどと同様に、平織りの一種であるつづれ織りの技法で織られています。たて糸によこ糸を交互に通し、よこ糸をしっかり詰めて織るのでたて糸が隠れてよこ糸で模様ができていきます。ですから、よこ糸の色を変えることで、さまざまな美しいデザインを生み出していくのです。模様は表も裏も同じで、模様の左右が逆になりますが両面とも使用できます。

イサクバスケスの写真4

厚くしっかりと織られているため、とても丈夫で型くずれしません。ウール製なので、冬は温かく、夏はサラッと気持ちのよい感触で、季節を選ばずに使えます。よごれにくく手入れも簡単で、タペストリーとして壁に飾ったりソファーに掛けたりといろいろな使い方が楽しめる織物です。